PROJECT:AKAZA The Phantom Knowledge

MOVIE

STORY

何時もの世界、何時もの人々。

『ユニティちゃん』こと、大鳥こはくの住むコーゲン・シティは至って平和そのもの。
例年通り、夏休みを前にした学生は浮足立ち、この夏をどうはしゃぎ倒すか考えるのに大忙し。
こはく、みさき、ゆうこの三名もまた同様に計画を立て始めていた。

夏休みが目前に迫ったある日、いつものようにゲームセンターでバイトをしていたジャックは極めて不機嫌だった。その原因はここ最近良く目にする「陰」。
最初は気のせいかと思っていたが、日を追う毎にそのの存在は鮮明になっていく。
彼はこの街の情報屋でもあるが、この現象だけは中々尻尾を掴む事が出来ず、「陰」が目の端に映る度に顔をしかめては「面倒事が起こりませんように…!!」と祈っていた。

しかしその予感は的中する。コーゲン・シティ全土で失踪事件が発生したのだ。
それも一度ではなく、様々な場所で、次々と。
浮足立った学生たちにも緊張が走り、いよいよ小碓町にまで事件の足が伸びて来ると、ジャックはいよいよ調査を本格化させた。
そして、失踪と陰の関係が漸く繋がり始めた矢先、当のジャックが事件に巻き込まれる。

こはくとみさきは足を使い、ゆうこがネットでジャックの足取りを探す中、彼のパーソナルデータベース上にゆうこ宛てのメッセージが見つかる。

そこに記されていたのは、この街を統括する大鳥重工が計画した巨大で途方もない「システム」への入り口であった。

WORLD

海抜の大上昇が起こったことで陸地の半分が海底に沈み、人類の半分が消え去った未来。
生き残った人々は手を取り合い、一丸となって復興に力を尽くした。
復興の兆しが見え始めたころ、変貌した地球環境に対応するための試みが世界中で始まっていた。
それから百年あまり…未だかつての興隆ほどではないものの、ようやく人類は安定した繁栄のサイクルを取り戻しつつあった。

「コーゲン・シティ」。それは更なる陸地消失に備えた、巨大企業「大鳥重工」の技術の結晶。
かつて人口と陸地の半分を失った未曾有の大災害を生き残った人類の、力強い復活の象徴。
人々は落ち着きを取り戻し、平凡な日々の中、未来に向かって明るいビジョンを描き始めていた。

誰もが平穏を享受し、明るいニュースが続く夏。
灼熱の太陽が照りつけるコーゲン・シティに事静かに、大きな厄災が降りかかろうとしていた…。