退廃した世界をイメージしたC89新規楽曲

- C89新規楽曲はどのようなコンセプトで制作されたのでしょうか。

RinC89新規楽曲の中でも、要となるデュエット曲『Halfalogue』は「退廃的な世界に満ちる希望」をコンセプトにしていたので、制作しているうちにどんどんシリアスで派手な曲調になっていきました。歌詞もユニティちゃんとAkazaの掛け合いを意識した配分にしていて、やがて混ざり合い1つになる流れとなっています。
他の楽曲も一部コンセプトの指定はありつつも、退廃した世界をイメージした楽曲になりました。

HALFALOGUE クロスフェードサンプル

- 楽曲の制作はどういった流れで行われたのでしょうか?

Rin『Halfalogue』と『Words for Akaza』で、「歌声の調整方法を明確に変えてみよう」という試みを最初に決めて制作を始めました。
『Halfalogue』はデュエットする角元さんに合わせて、より人間らしいナチュラルな歌い方を重視しています。ビブラートはピッチベンドで全部描いたり、音の区切りをオーディオに書き出してから処理したり。

逆に、『Words for Akaza』はあえてVOCALOIDらしい歌い方を重視するために、なるべくVOCALOIDエディタ内の処理で完結するように調整しています。

- 『勝利のコロッケ』はいかがでしたか?

Rin『勝利のコロッケ』の制作のために、コロッケとメンチカツを結構な量食べ比べたり、メンチカツを銀シャリに乗せて食べたり、食べ合わせの大切さを学びました……。
レコーディングは笑顔の絶えない明るい現場でしたね。台詞部分で「食べている感」を出すために、パンをくわえて録音ブースに立ってもらったり。現場の楽しいノリと勢いで、収録はスムーズに進みました。

「表情を付けて歌おうとする」ユニティちゃん歌声ライブラリ

- ユニティちゃんの歌声ライブラリをはじめて使用した際の印象、その後の使用感を教えてください。

Rin何気なく打ち込んだロングトーンの語尾が人の歌声のようにしゃくり上がったり、表情を付けて歌おうとしたりするのには驚きました。
その後ざっくりと触ってみて、特に難しい処理が必要といった感じではなかったので、素早く制作に取りかかれました。

- 他の歌声ライブラリと比べてどうでしょう。

Rin他のライブラリと比べて、ベタ打ちでの発音がいい感じでした。他のVOCALOID同様に低い音域は苦手だったり、「か」行の立ち上がりに気をつけたりはしましたが、そこは普段通りの調整方法で問題ありませんでした。
声色が可愛らしくて元気なので、シリアスな曲調に合わせると独特のドヤ感が栄えてとてもいい感じに馴染みましたね。

- ユニティちゃん歌声ライブラリを使いこなすポイントはありますか?

Rin他のVOCALOIDよりも音域はちょっと高めで、ロングトーンを意識して歌わせると声の個性が際立っていい感じに歌ってくれます。