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Comic Market 89のユニティちゃんとAKAZA

- C 89で販売されたPROJECT:AKAZA スペシャルパッケージ(ユニティちゃんの歌声ライブラリ)はかなり豪華なつくりになっています。

ntny先に値段が決まっていたんです。でも一個の売り物として、10,000円っていう価格ははじめてで。
今回の場合、シリアルコードしか入っていないものに対して10,000円を払わせるんですよ!
開けた箱の中に、紙が1枚しか入っていないわけじゃないですか。まるでオンラインストアのギフトカード状態ですよね。コード入力したらゴミ箱行き。
それが嫌で、とにかく嬉しい感じがするものにしたかったんです。例えばインテリアの様に飾っておけるものとか。
ちなみにこのアクリルプレートはAKAZAの背中にある黒いプレートを模しているんですよ。

- C89では3曲、新規楽曲も作られています。その制作をRinさんにお願いした経緯というのは?

ntny基本的に楽曲を作るときはまずDiverseSystemの主催である与作氏に話を持ちかけています。彼とは長い付き合いなので、こちらの要求に対する回答が的確なんですよね。
で、まずVOCALOIDを使えること、次に生歌収録のディレクションができ、経験があることを条件に人を探してもらいました。
この2つの条件にマッチしていて、さらにゲームミュージックの製作の経験もあって、かつ、音ゲーにも音楽提供していて、知名度もある。
実際にいくつか曲を聴いてみて、素直に「あ、カッコ良い!」となったので「他の候補も探す?」という質問に対して「この方で!」となりました。

- 曲のコンセプトは、ntnyさんがディレクターとしてオファーを?

ntnyそうです。『HALFALOGUE』はユニティちゃんと世界観を説明して上がってきたものです。
歌も全部そのままお任せしちゃったので、ほぼ直すところもなく。音の部分だけ少しいじらせてもらったくらいですね。
2曲目の『WORDS FOR AKAZA』は特に何のオーダーもしませんでした。

実はRinさんに3曲お願いしたら、5曲ぐらい上がってきたんですよ(笑)
「どれが良いですか?」って言われて。メインテーマはこれが良い、2曲目はこんな感じ、3曲目はこんな感じ、みたいに選んでそれを仕上げてもらうっていう流れだったんです。
『WORDS FOR AKAZA』の歌詞はAKAZAのことを扱ってほしいとオファーを出して、文字通りVOCALOIDのみでAKAZAに歌ってもらったわけですね。
最初の『HALFALOGUE』はすごく生っぽかったんですけど、『WORDS FOR AKAZA』がVOCALOIDっぽくなっているのはたぶん意識しているんだろうと思います。

- 3曲目の『勝利のコロッケ』については?

ntny3曲目は、大前が「電波系の曲が欲しい!」と言ったので(笑)
これは前回もそうなんですけど、三曲目は一寸ネジ飛んでいる感じっていうのが定番になりつつありますね。
この曲はSEも結構凝っていて「ジュワー」とか音が入っていて「本当に作ったの!?」と聞いたら「これコロッケじゃなくてから揚げの音です」って言われたのは面白かったです(笑)

- YouTubeで聞けたりします?

ntnyYouTubeにクロスフェードサンプルがありますが、フルバージョンではないので上げている音は聴けないかもしれません。

HALFALOGUE クロスフェードサンプル

ntny実は、1曲目の『HALFALOGUE』の曲名が最後まで決まらなくて。収録後に与作氏、Rin氏と自分の三人で秋葉原のしゃぶしゃぶ屋でああでもないこうでもないと肉をつついていました。
最終的にはそれから少しして、色々調べものをしている時偶然見つけた『HALFALOGUE』に決まったんです。
あまり聞かない言葉だと思うんですが、この意味はですね。
先ず携帯電話で話している人がいるとします。その人を見たとき、当然電話の向こうが何を言っているのかは聞こえないですよね。喋っている人の声しか聞こえない。
この「繋がらない会話を聴いていることに苛立つ現象」のことをHALFALOGUEと言うらしいんです。意味深な感じしません?
ユニティちゃんの声って角元さんが目の前にいれば聴けるんですけど、AKAZAの声って絶対にスピーカーを介さないと聴くことが出来ないんですよ。ふふふ。

- このCDはもう手に入らないんですか?

ntny現在はそうですね。ただ、今後イベントや通販で出す予定はあります。

ユニティちゃんの今後の展開

- もし、PROJECT:AKAZAのキャラクターデザインやバックグラウンドの考証からもう一度やれるとしたら、どこから手をつけますか?

ntnyバックグラウンドはめっちゃ気に入っているんで変える気はないですね(笑)
変えるとしたらユニティちゃんの服かな。
先にも話した通り、今回はユニティちゃんより先にAKAZAができたので、ユニティちゃんはAKAZAに合わせて考えられてしまった。
それは彼女にとってのベストではなかったので、もう確定事項として宣言しちゃいますけど「彼女にとってのベスト」を考えるつもりです。

- まだ手を付けてないもので、今後のユニティちゃんの展開としては何を?

ntny一般流通に乗るフィギュア化はしたいですね。
アクションフィギュアだと尚いいかも。個人的にはパルフォムやfigmaが大好きなのでPhat!さん、グッスマさん、いかがでしょう?(笑)

ntnyこれもありがたい話ではあるのですが『乖離性ミリオンアーサー』とのコラボレーションの影響が非常に大きくて。
ユニティちゃんを調べた人たちは大体一度『UNITE IN THE SKY』のPVを観に行くんです。そうすると、みんなこれが原形だと思うんですよね。
それもあって、今回のC89ではオリジナルの配色に戻しつつ、一寸未来っぽく……と思って挑んでいたつもりだったんですが、正直あまり上手く持っていけませんでしたね。

まぁ失敗したところでキャラは生き続けるので、もう1回やればいいだけなんですけども。
同じことやってもしょうもないので、一寸気合いいれてかっちょいいの作るんで、楽しみに待っていてください。

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